産業廃棄物収集運搬業とは何か
それでは「収集運搬業」について詳しく説明していきましょう。収集運搬業というのは、「排出事業者」と「産業廃棄物処理業者」または「産業廃棄物処理業者」と「産業廃棄物処理業者」との間で実際に産業廃棄物を移動させる業務を言います。
この場合に必要となる許可が「産業廃棄物収集運搬業」の許可ということになります。
収集運搬を行う場合は厳格に行う必要があります。運搬する際は産業廃棄物を外部に「飛散」「流出」させてはいけませんので、そのためには運搬に必要な「車両」と「容器」を適切に選択しなければなりません。収集運搬業に使う車両
収集運搬業の許可を得るに際し、一般貨物自動車運送事業(最低5台)にように車の台数についての要件はありません。極端な話「1台」のみでも許可申請は可能です。
ただし1台でいいからといって無理な計画を立ててしまっては本末転倒です。何10トンものがれき類を運搬する計画である一方で申請車両が軽トラック1台というのでは計画上無理がありますよね。
また、「家畜の死体」や「動植物性残さ」を運搬する計画であるのに開放型のトラックにバラ済みというのでは周りが迷惑です。
収集運搬業で使用する車両として最もポピュラーなのは「ダンプ車」と「平ボディ車」です。
がれき類や木くずなど、固形状の比較的大きなものを運搬する場合に使用する場合が多いです。
家庭ごみ収集でよく見かける「パッカー車」もあります。収集運搬時に圧縮をしながら運搬できるというメリットがあります。
「汚泥」などの泥状のもの、液状のものを運搬する場合はダンプやトラックにそのまま積載しても流れ出るだけです。これらの場合は「タンクローリー」や「汚泥吸引車」「バキュームカー」等が適しています。
工事現場等で見かけますが、排出事業者の現場にコンテナを設置し、定期的にコンテナを回収して回る形態もあります。この場合に使用する車両が「脱着装置付コンテナ専用車」です。
場合によっては「船舶」や「鉄道」を利用して運搬する場合もあります。何も車でないと許可がなされないということはありません。収集運搬業に使う容器
収集運搬に使う容器については様々です。
要は「運ぶ品目」に応じた適切な容器を使用するということです。
「廃酸」を運ぶのに酸に弱い鉄製のドラム缶では不適切ですし、燃え殻やばいじんをトラックに何の手当もせずにそのまま積載するわけにはいきません。
運搬時に
「飛散」「流出」を防ぐこと。これが重要です。
産廃の種類 | ドラム缶 | プラスチック容器 | 石油缶 | フレコン | 大型コンテナ |
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燃え殻 | 〇 | | | 〇 | 〇 |
汚泥 | 〇 | | | 〇 | 〇 |
廃油 | 〇 | | 〇 | | |
廃酸 | | 〇 | | | |
廃アルカリ | | 〇 | | | |
廃プラ | 〇 | | | 〇 | 〇 |
紙くず | 〇 | | | 〇 | 〇 |
木くず | 〇 | | | 〇 | 〇 |
繊維くず | 〇 | | | 〇 | 〇 |
動植物性残さ | 〇 | | | | 〇 |
ゴムくず | 〇 | | | 〇 | 〇 |
金属くず | 〇 | | | | 〇 |
ガラスくず等 | 〇 | | | | 〇 |
鉱さい | 〇 | | | 〇 | |
がれき類 | 〇 | | | 〇 | 〇 |
ばいじん | 〇 | | | 〇 | 〇 |