処理基準とは
産業廃棄物の処分(中間処理・最終処分)は、周辺の生活環境への影響を最小限に留めなければなりません。
自由に処分業務ができるようにすると、粉じんや騒音・振動、悪臭などが際限なく発生する事にもなりかねません。
そのための基準が「処理基準」と呼ばれるものです。ここでは中間処理・最終処分の基準について説明します。中間処理基準
- 産業廃棄物が飛散し、流出しないようにすること
- 悪臭、騒音又は振動によって、生活環境の保全上、支障が生じないように必要な措置を講じること
- 中間処理のための施設を設置する場合には、生活環境の保全上、支障を生じないように必要な措置を講じること
- 産業廃棄物を焼却する場合には、環境省令で定める焼却設備を用いて、適切に焼却すること
- 産業廃棄物の保管を行う場合には、産業廃棄物の保管基準に準じて行うこと
- 産業廃棄物の保管を行う場合には、産業廃棄物処理施設において処分を行うためにやむを得ないと認められる期間を超えて保管しないこと
- 産業廃棄物処理施設での保管容量は、通常の操業状態で、処理能力の14日分(木くず又はコンクリート片の再生の場合は28日分、アスファルト片の再生の場合は70日分)を超えないようにすること
最終処分基準
- 産業廃棄物が飛散し、流出しないようにすること
- 悪臭、騒音又は振動によって、生活環境の保全上、支障が生じないように必要な措置を講じること
- 埋立処分のための施設を設置する場合には、生活環境の保全上、支障を生じないように必要な措置を講じること
- 埋立地にはねずみ、蚊、はえ、その他の害虫が発生しないようにすること
- 埋立処分を終了する場合には、埋立地の表面を土砂で覆うこと
- 安定型産業廃棄物以外の産業廃棄物は、地中にある空間を利用して埋立処分をしないこと
- 安定型最終処分場では、安定型産業廃棄物以外の廃棄物が混入・付着するおそれのないよう、必要な措置を講じること
- 周囲に囲いが設けられ、かつ産業廃棄物の処分の場所(有害産業廃棄物の場合はその旨)であることの表示がされている場所で行うこと
- 埋立地からの浸出液による公共の水域・地下水の汚染を防止するのに必要な措置を講じること
最終処分基準
上記基準の中で「保管基準」という言葉が出てきましたが、保管基準は以下のとおりです。
- 周囲に囲いが設けられていること(これは廃棄物を飛散・流出させない為の措置ですので、コンテナ等で全量保管できる場合にはあえて囲いを作る必要はありません。
- 見やすい場所に、産業廃棄物の保管場所である旨の掲示板を設けること
- 保管場所から、産業廃棄物が流出、放出、地下浸透、悪臭が発散しないように必要な措置を講じること
- 保管場所にはねずみ、蚊、はえ、その他の害虫が発生しないようにすること
- 保管する産業廃棄物の量が、保管場所における1日あたりの平均的な搬出量の7倍以下であること
その他の基準
上記で述べたものは、中間処理、最終処分、保管基準の基本的なものです。
「必要な措置」というような場合は、具体的にどのような措置を行うかについて自治体ごとの細かい基準があり、これらを事業者と自治体が事前協議ですり合わせます。
実際に処分業を行う場合は、ご相談頂く事をお勧めします。