一般的に「中間処理施設」と呼ばれる産業廃棄物処理施設のうち、「破砕施設」は最もメジャーな施設ではないでしょうか。
弊社でも中間処理施設のご依頼のうち、この破砕施設の比率が最も高いです。
破砕施設では、産業廃棄物の処理フローの最終段階である「焼却」や「最終処分」を行いやすくするために、産業廃棄物の大きさを砕いて小さくする処理が行われています。
破砕施設には「切断機」「回転式破砕機」「圧縮式破砕機」等の種類があります。
以下、破砕施設について考えていきましょう。
産業廃棄物処理施設としての「破砕」
産業廃棄物の中間処理では、それぞれの産業廃棄物の性状に応じて焼却、破砕、粉砕・圧縮、中和、脱水など様々な処理が行われています。
このうち「破砕」処理の最も大きな目的は、焼却や最終処分をしやすくするための前処理を行うことにあります。
リサイクルされない産業廃棄物は最終的に最終処分場へ行きつきますが、排出されたままの状態では日本国内にいくら最終処分場があっても足りません。
また、保管や運搬面から考えても、産業廃棄物の大きさを可能な限り小さくすることによって保管や運搬の効率を上げることが可能となります。
破砕施設の種類
破砕施設は型式等が定まった既成のものもあれば注文製造のものもあり、処理状態にお医事手様々な種類があります。
代表的な破砕施設としては、切断機、回転式破砕機、圧縮式破砕機の3種類があります。
破砕する産業廃棄物の種類、処理量等も勘案して適切な破砕施設を選ぶことになります。
1.切断機
切断機は、廃棄物にせん断力を与えて破砕を行う施設です。
せん断力とは、平行で逆向きの2つの力によって部材内のある断面にすべりやずれが生じますが、この力のことをさします。要するに原理としてはハサミです。
廃プラスチック類、繊維くず、金属くずなどの破砕に使われることがおおいのではないでしょうか。
他の破砕施設と比較する、切断機は破砕を比較的均一に行う必要がある場合などに適しています。
弊社でもこの切断機については、不要となった銅線を処理する際に、銅線周りを剥離機にて剥離した上で均一の長さで切断機をもって切断し、銅として売却するという工程で申請したことがあります。
2.回転式破砕機
回転式破砕機は、施設内に内蔵されたハンマーやカッターを回転させることによって、破砕の対象たる廃棄物に衝撃を与えたり、またせん断力によって破砕したりする施設です。回転式破砕機の中には、処理する廃棄物と廃棄物とを施設内で高速で衝突させることで破砕を行う衝撃作用を主体とする高速回転式破砕機と、せん断作用を主体とした低速回転式破砕機の2種類があります。
高速回転式破砕機の場合は、比較的大きな廃棄物、例えば自動車、硬質プラスチック、家具などを破砕するのに適していると言えます。
低速回転式破砕機の場合は、施設内部において低速で刃が回転し、強力なせん断を行うことが可能です。比較的多くの種類の廃棄物の破砕に適しており、例えば軟質プラスチックや布など、破砕機の刃にまとわりつきやすい品質のものでも破砕することができます。
3.圧縮式破砕機
圧縮式破砕機は、破砕機の内部において面と面の間で廃棄物を圧縮し、破砕を行う施設です。圧縮式破砕機はコンクリートやアスファルトなどの大きな塊の廃棄物を破砕するのに使われます。
破砕施設についてはその処理能力によって手続きの重さが変わってくるのが特徴です。
廃プラスチック類、木くず、がれき類等の破砕施設であって1日あたりの処理能力が5トンを超える破砕施設に関しては産業廃棄物処理施設設置許可申請が必要で、それ以下の処理能力の場合は自治体にもよりますが許可不要な場合もあります(あくまで「許可」が不要というだけであり、自治体の定めた手続きは必要ですので注意してください。)